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2016年12月9日 11時00分 JST
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Source: IASLC
イブプロフェンの常用により、喫煙者のハイリスクサブグループの肺がんリスク低下の可能性

ウィーン, 2016年12月9日 - (JCN Newswire) - オーストリアのウィーンで開催された第17回IASLC世界肺がん学会議(WCLC)において、イブプロフェンの常用によって喫煙歴のある人の肺がんリスクが低下する可能性があるという研究結果が発表されました。

肺がんリスクは慢性炎症によって高まると見られ、炎症を軽減する薬剤によってリスクが低下することは、すでに確認されています。しかし今までに、肺がんと非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)との関係について調査したプロスペクティブ研究はありませんでした。

米国オハイオ州コロンバスのオハイオ州立大学のMarisa Bittoni博士らは、一般的なNSAIDによって肺がんリスクを低下する可能性をテストするため、第3回米国国民健康栄養調査(NHANES III)の参加者10,735人のデータを調査しました。

調査では1988~1994年の参加者10,735人の喫煙、NSAIDおよび他のライフスタイル変数の基本データを取集し、2006年のNDI (National Death Index )を使った確率的レコードマッチングによって、原因別死亡率の状況を確認しました。NSAIDの使用と肺がん死亡の関係を数値化するハザード比(HR)の推定には、コックス比例ハザード回帰モデルを使用し、現在の喫煙状況などの変数によって調整しました。

追跡期間を18年間とした場合、肺がんで死亡した269人のうち、252人(93.6%)に喫煙歴があります。死亡した肺がん患者269人のうち17人を除く全員が、現在または以前喫煙していたため、NSAIDの効果に関する推定の確認は、過去または現在喫煙歴があると回答した5,882人のサブコホートに対して行われました。

Bittoni博士が、NHANES IIIから得られたプロスペクティブデータを調査したところ、過去または現在喫煙歴のある成人については、イブプロフェンの摂取と肺がん死亡リスクの大幅な低下(48%)に関連が見られました。アスピリンとアセトアミノフェンの効果には、統計的に有意な関連はありませんでした。

「これらの結果から、ハイリスクな喫煙者サブグループにとって、特定のNSAIDの常用は、肺がん予防戦略として有益であることが示唆されました。」と、Bittoni博士は述べています。

第17回IASLC WCLCは、肺がんなどの胸部悪性腫瘍関連では世界最大の会議で、100か国以上から6,000人以上の研究者、医師、スペシャリストなどが参加します。第17回IASLC WCLCについては、 http://wclc2016.iaslc.org/ をご覧ください。

WCLCについて

WCLCは、肺がんなどの胸部悪性腫瘍関連では世界最大の会議で、100か国以上から6,000人以上の研究者、医師、スペシャリストなどが参加します。この会議の目的は、肺がんに関する意識を向上し、コラボレーションや理解を促進し、参加者の皆様が全世界の最新研究の成果を取り入れやすくすることです。今回の学会は「肺がん撲滅のために団結を」というテーマの下、幅広い分野を取り扱い、いくつかの研究と知見の結果を発表します。詳しくは http://wclc2016.iaslc.org/ をご覧ください。

IASLCについて

肺癌研究のための国際協会(IASLC)は、肺がん研究を専門とする唯一のグローバル団体です。協会の設立は1974年で、会員には100か国以上5,000人以上の肺がん専門家がいます。詳しくは www.iaslc.org をご覧ください。

お問い合わせ先:
Jenny Jaacks
JJaacks@DavidJamesGroup.com

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