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東京, 2015年6月10日 - (JCN Newswire) - 株式会社日立製作所(執行役社長兼COO:東原 敏昭/以下、日立)は、このたび、IT(情報技術)を活用し、配水地域内で漏水の多いエリアを推定することで、漏水管理業務の効率化を図る新型の漏水管理システムを、東南アジアをはじめとする新興国を対象に本日から販売を開始します。日立は、本システムをキー製品のひとつとして水環境ソリューション事業のグローバル展開をさらに強化・拡大します。
| 日立、漏水管理業務の効率化を図る漏水管理システムを東南アジアなどで販売開始 |
本システムは、センサー情報、アセット情報と水理解析*1技術を組み合わせた日立独自のシミュレーション解析により、配水地域を複数の小エリアに仮想的に分割したうえで、漏水量の多い小エリアを推定します。水道事業者は、現場で漏水箇所を特定する作業を開始する前に、小エリア単位で漏水量を推定できるため、重点的に漏水対策を行うべき地域が明確になり、漏水管理業務を効率的に進められます。また、本システム導入において新たに設置が必要なセンサー数は少なくすむため、導入費用を抑えることができます。これらにより、水道事業者による漏水管理の効率化や、漏水の低減による水道事業者の収益拡大に貢献します。
なお、本システムは、2013年8月から2014年9月まで、シンガポール共和国(以下、シンガポール)の雨水収集、浄水、飲料水供給から下水処理及び再生水造水まで、水循環を一貫して担い、先進の研究開発に取り組むとともに、水関連企業に実証試験の機会を提供しているシンガポール公益事業庁(以下、PUB)の水道管網でフィールド試験を行いました。
新興国では、人口の増加や経済発展に伴い、浄水・造水施設の整備が進む一方で、水道管からの漏水を主要因とする無収水率*2が高く、東南アジアでは30%を超える地域もあります*3。無収水率が高いと、水道事業者の収益を圧迫し、水道料金の高騰の一因になるとともに、漏水箇所から異物が水道水に流入することで水質を悪化させる可能性もあるため、対策が急務となっています。
現在、夜間に水道管のバルブを閉じて流量を測定するなどの現場作業により、漏水場所を特定する方式が多く用いられています。また、近年、センサー情報を活用して、配水管のノイズなどから漏水を検知するシステムの開発も盛んですが、多数のセンサーを高密度に設置する必要があることや、周辺環境によっては、規模の大小に関わらず漏水を検知しにくい、などの課題がありました。
そこで日立は、ITを活用し、水道管網に取り付けた流量・圧力センサー情報と、水道管の材質、敷設年次、老朽度などのアセット情報、水理解析技術とを組み合わせてシミュレーション解析を行う漏水管理システムを開発しました。本システムは、センサーによる流量・圧力の実測値と、老朽管の分布を加味した水理解析シミュレーションによる水の流量・圧力の計算値とを比較し、漏水量が多い小エリアを推定します。個々の漏水の位置・規模を推定するのではなく、小エリアごとに漏水の総量を推定することで、個々の漏水の大小に関係なく漏水多発エリアを推定でき、漏水管理業務の効率化が図れます。また、本システムは、最小で、流量センサー・圧力センサーを配水エリアの入り口に1つ、圧力センサーを分割した小エリアに1つずつ設置するシステム構成であることから、低コストでの導入が可能です。
日立が実施したフィールド試験では、消火栓からの放水で漏水を模擬する実験を行い、本システムの有効性を検証しました。一つの小エリア内から平均配水量の3.5%を放水する条件で、放水エリアでの模擬漏水の増加を正しく特定できました。また、本システムの適用に必要な圧力センサー数は、フィールド試験対象の配水地域に設置済みのセンサー数の数分の1であり、少ないセンサー数で適用できることを確認しました。
なお、開発システムが解析・活用する水道管の老朽度の情報は、漏水管理だけでなく、水道管の更新計画などのアセットマネジメントにも有効活用できます。
日立の執行役専務 インフラシステム社社長の酒井 邦造は、次のように話しています。「PUBの管理するインフラを実証フィールドとして、漏水管理システムを開発できたことを嬉しく思います。漏水は、貴重な水資源の損失につながるとともに、安全な水の供給という観点からも深刻な問題です。日立は、長年培ってきた水理解析技術を駆使して、東南アジアを中心に、漏水対策をはじめとした水環境の課題解決に貢献していきます。」
日立は本システムを、配水コントロールシステム*4などとともに、漏水率が課題となっている国に積極的に拡販し、水環境ソリューション事業のグローバル展開をさらに加速していきます。
本リリースの詳細は下記URLをご参照ください。 http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2015/06/0610.html
*1 水理解析: 水道管網中の水流をシミュレーションし、流量、流速、圧力を推定する技術。 *2 無収水率: 配水量のうち、漏水や盗水などにより受益者に届かず水道収入を得られない水量の比率。 *3 出典: The International Benchmarking Network for Water and Sanitation Utilities (IBNET), http://www.ib-net.org/ *4 配水コントロールシステム: 配水エリアに設置された水圧・流量センサーからデータを収集し、リアルタイム管網解析と最適化計算によって配水ポンプの最適吐出圧を算出して自動制御を行うことで、配水ポンプの省エネルギーや漏水低減を図る日立独自のシステム。
概要:株式会社 日立製作所
詳細は www.hitachi.co.jp をご参照ください。
お問い合わせ先 株式会社日立製作所 インフラシステム社 水・環境ソリューション事業部 グローバル水ソリューション本部 [担当: 梅木] 電話: 03-5928-8165(直通)
トピック: Press release summary
Source: Hitachi, Ltd.
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