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CPUコアごとに算出する指標を考案し、省電力プログラミングを実現 |
東京, 2015年7月29日 - (JCN Newswire) - 株式会社富士通研究所(注1)(以下、富士通研究所)は、サーバに搭載したCPU上で、ソフトウェアの各処理で消費される電力を詳細に算出し、省電力プログラミングを実現する技術を開発しました。現在、Intel製CPU搭載サーバでは、電力制御機構によりCPU全体の消費電力は計測できますが、各CPUコア上で実行されるソフトウェア処理の消費電力は計測できず、ソフトウェアの観点で電力削減をすることが困難でした。
| 富士通研究所、ソフトウェアの詳細な消費電力の見える化技術を開発 |
今回、CPUコアごとに採取可能なクロック数やキャッシュヒット率などの情報を活用して、プログラムのモジュール単位など詳細に消費電力を推定する技術を開発しました。
これにより、省電力プログラミングを効率化でき、サーバ全体の低消費電力化や余剰電力の活用によるプログラムの高性能化などに貢献できます。
本技術の詳細は、8月4日(火曜日)から大分県別府市で開催される並列処理関係の学会「SWoPP 2015(Summer United Workshops on Parallel, Distributed and Cooperative Processing 2015)」にて発表します。
開発の背景
スパコンシステムやデータセンターではシステム規模の拡大や処理量の増加に伴い、消費電力も増大しています。例えばトップレベルの高速なスパコンシステムではその消費電力が約18MW(メガワット)と言われており、また日本のデータセンターの消費電力量は総務省の報告(注2)によると年平均で77.2億kWh(キロワット時)と膨大で、全体の消費電力を削減することが求められています。
課題
低消費電力化には従来のハードウェアによる低電力化に加え、サーバ上で動作するプログラムの消費電力を低減する方法があります。消費電力を抑えるプログラミングを実現する前提として、現行のソフトウェアが消費する電力を把握する必要があります。Intel製CPUを搭載したサーバでは、電力制御のためのRAPL(注3)という機構を使って、CPU全体の消費電力を把握することができますが、各CPUコア上で実行されるソフトウェアの消費電力の分析までは実現できず、詳細なソフトウェアの消費電力を把握することが困難でした。
開発した技術
今回、Intel製CPU搭載のサーバ上で、詳細なソフトウェアの電力消費を推定可能な電力解析手法を開発しました。
開発した技術の特長は以下のとおりです。
1.性能指標に基づく電力配分によるソフトウェアの詳細な消費電力解析 CPUコアごとに採取可能なクロック数やキャッシュヒット率といった計測値を組み合わせ、消費電力と相関の高い性能指標を新たに考案しました。算出したCPUコアごとの値にしたがって、CPUの消費電力を各コアに配分することで、プログラムのモジュール単位などの詳細な消費電力が把握できます。
2.負荷が少ない電力情報の算出 性能指標に使用するCPUコアごとの計測値を数種類に絞ることで、1ミリ秒という細かさで採取でき、また、電力情報算出時のオーバーヘッドを全体の1%程度に抑えられるため、計測が性能値に与える影響もほとんどありません。さらに、細粒度のサンプリングにより高精度なソフトウェアの消費電力が把握可能です。
効果
今回開発した技術は、ソフトウェア開発者が消費電力を削減するチューニング(省電力プログラミング)に活用でき、サーバ全体の低消費電力化や余剰電力を活用して並列度を上げるなどのプログラムの高性能化に貢献できます。
今後
富士通研究所は、本技術の2016年度の実用化を目指し、ソフトウェアによる消費電力削減の実証を進めます。また、富士通のデータセンターへの技術適用も検討し、消費電力をさらに詳細に分析することで、データセンターの省電力化を目指します。
本リリースの詳細は下記URLをご参照ください。 http://pr.fujitsu.com/jp/news/2015/07/29.html
注釈 注1 株式会社富士通研究所:本社 神奈川県川崎市、代表取締役社長 佐相秀幸。 注2 総務省の報告:参考文献は総務省が2008年4月に発行した「地球温暖化問題への対応に向けたICT政策に関する研究会 報告書」です。 注3 RAPL:Running Average Power Limitの略称。Intel製CPUが持つ電力制御および計測のための機構。
概要:富士通株式会社
詳細は http://jp.fujitsu.com/ をご覧ください。
トピック: Press release summary
Source: Fujitsu Ltd
セクター: Electronics, Cloud & Enterprise, IT Individual
https://www.acnnewswire.com
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