|
|
|
|
中国の成長鈍化が商品価格の下落と相まり、同地域のCEOの信頼感は急激に落ち込み |
香港, 2015年11月3日 - (JCN Newswire) - アジア地域のCEOの景況感を測る経済指標であるYPOグローバル・パルス・アジア信頼感指数は、2015年第3四半期に62.0ポイントから4.7ポイント低下し、57.3ポイントとなりました。この下げ幅は世界の他のどの地域よりも大きかっただけでなく、5期連続の下落で、6年前にYPO調査を開始して以来、アジアのYPOリーダーによって報告された信頼感指数のなかで、過去最低値を記録しました。
| YPO調査:中国経済が発する曖昧なシグナルにより、不安が高まり、アジアのCEOの信頼感は低下 |
https://www.acnnewswire.com/topimg/Low_151103YPO.jpg
最新のYPOグローバル・パルス調査によると、中国の成長鈍化は、アジアのCEOの信頼感が急激に低下した理由の1つにすぎないことが明らかになりました。中国株式市場の大幅な下落もまた、アジアのビジネスリーダーを神経質にさせている要因です。実際、中国のYPO会員による信頼感は第3四半期に60.7ポイントから8.0ポイント下げ、52.7ポイントとなっています。
中国では自国の産業ベースの経済の活性化を図るため、ASEAN諸国、韓国、日本から大量の商品を輸入しており、中国経済の波及効果は他のアジア諸国まで及びます。また、アジア新興国経済はドル高と中国の商品需要の急激な減少により、大きな打撃を受けました。ドル高傾向が強まるにつれ、輸出先として中国に依存する国々は特に影響を被りました。
Fortson Sdn Bhdのマネージング・ディレクタを務め、YPO SEA Dragon支部会員であるLeon Teohは、次のように述べています。「中国政府が産業モデルから消費者主導経済へ転換するべく懸命に努力するなか、アジアの信頼感は、ドルの通貨価値と商品価格の間に存在する緊密な逆相関関係により、悪影響を受けています。例えば、アジアの企業が米国から大豆を購入したとします。ドルの価値が15%上昇すると、輸入者は同じ分量の大豆を購入するのに15%多くの現地通貨が必要になります。その結果、大豆の需要は低下し、価格は下落します。したがって、ドルの上昇はほぼ同程度の商品価格の下落を引き起こすのです。」
ASEAN諸国は、中国の成長鈍化と輸出商品価格の下落が相まり、打撃を受けています。当然ながら、こうしたASEAN諸国のYPO会員による信頼感は第3四半期に60.1ポイントから52.6ポイントに7.5ポイント下げています。例えば、タイでは信頼感は63.5ポイントから57.7ポイントに5.9ポイント低下しました。マレーシアでは57.2ポイントから 45.1に12.1ポイント下げ、悲観的な領域を安定的に推移しています。
アジアが中国から広がる経済効果に対処するなか、長期的な信頼感は低下しています。YPOグローバル・パルス・アジア販売信頼感指数は、第3四半期に69.1ポイントから62.9に6.2ポイント下げています。この値はYPO調査開始以来、過去2番目に低い水準です。グローバル販売信頼感指数は2.6ポイント下げて65.3を記録し、米国の指数は2.2ポイント下げ66.8ポイントとなりました。明らかに、アジアのYPOリーダーは、世界のYPOリーダーと比較して、営業環境について楽観的な見方をしていません。
それにもかかわらず、アジアの信頼感指数は57.3ポイントを記録し、依然グローバル指数の58.1ポイントと概ね同等の水準です。中国経済の転換は確実に世界を変えています。しかし、今後のアジアの展望は以前ほど楽観的な見方はできないかもしれませんが、悲観的と特徴づけられるものではありません。
重要な調査結果
北アジア: 日本では、中国の成長鈍化にもかかわらず、信頼感は比較的高い水準を維持しています。信頼感指数は日本ではわずかに0.6ポイント下げ、56.0ポイントを記録しました。これは円安傾向であることに加え、短期市場金利がほぼゼロパーセントであること、そして国債買い入れプログラムにより、2016年に日本のGDP成長率が1%に上昇すると予測されることが要因と考えられます。
東南アジア: ASEAN諸国では、中国の成長鈍化および商品価格の下落により、大きな打撃を受け、信頼感は下落の一途をたどっています。ASEAN諸国のYPO会員による信頼感は60.1ポイントから52.6ポイントに7.5ポイントと大きく下げました。同地域の発展途上国の期待値が下がり、ASEAN諸国では海外から投資を呼び込むのがさらに困難になっています。マレーシアでは投資家信頼感指数が47.3ポイントから22.3ポイントへと大きく低下しました。
南アジア: インドでは、信頼感はわずかに低下したものの、健全なレベルを維持しています。信頼感が66.1ポイントから62.3へと3.8ポイント下げたため、インドのCEOは、前期ほど楽観的ではありませんでしたが、信頼感は依然として健全なレベルを維持しています。また、販売信頼感指数は76.0ポイントから68.5ポイントへ7.5ポイント低下しましたが、依然としてプラスの領域にあります。
オーストララシア: オーストララシア(オーストラリア、ニュージーランド、周辺の島々の総称)は商品集約型経済であるにもかかわらず、企業信頼感指数は下げ幅を最小限にとどめました。オーストララシアの固定資産投資信頼感指数によると、回答者の41%が今後12カ月間に設備投資を増やすとし、7月調査の45%からはわずかに減少しました。今後12カ月間の雇用信頼感指数と売上高信頼感指数もまた、合計58.9ポイントと68.9ポイントからそれぞれ2.3ポイントと2.0ポイントとわずかに低下しただけで、安定的に推移しました。
YPOグローバル・パルス・信頼感指数
2015年10月の最初の2週間に実施したこの四半期ごとの電子調査では、アジアの224人およびオーストララシアの115人を含む世界中の最高経営責任者1,915人から回答を集めました。この調査の方法論や世界各地の結果に関する詳細については、www.ypo.org/globalpulse をご参照ください。
YPO について
YPO(Young Presidents' Organization)は非営利組織で、共通する使命「Better Leaders Through Education and Idea Exchange(TM)」のもと、世界中の若い経営者をネットワークで結んでいます。1950年に創設されたYPO は、今では世界130カ国以上、23,000人のビジネスリーダーおよびその家族を繋ぎ、独自の体験や莫大な教育リソースへのアクセス、世界的な機関との連携、またビジネス、コミュニティ、個人的なリーダーシップをサポートする専門的なネットワークを提供しています。全体として、YPO会員が運営する企業において、世界中で1,500万人以上の人々が雇用され、年間に6兆ドルを超える売り上げを記録しています。詳細については、www.ypo.orgをご覧ください。
本プレスリリースの文言は翻訳されたもので、いかなる場合も公式版とはみなされないこととします。翻訳言語版を資料としてご利用になる際には、法的効力を有する唯一のバージョンである英語版と照らし合わせて頂くようお願い致します。
お問い合わせ先: YPO (Young Presidents' Organization) Linda Fisk オフィス: +1-972-629-7305 (米国) 携帯: +1-972-207-4298 press@ypo.org
トピック: Research / Industry Report
Source: YPO
セクター: Daily Finance, Daily News
https://www.acnnewswire.com
From the Asia Corporate News Network
Copyright © 2024 ACN Newswire. All rights reserved. A division of Asia Corporate News Network.
|
|