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東京, 2016年1月4日 - (JCN Newswire) - 本朝、三菱商事本社(東京・丸の内)にて行われました、当社社長 小林健による「2016年 年頭挨拶」を下記の通りご報告致します。
明けましておめでとうございます。私が2011年の新春に初めて挨拶をして、今回が6回目になりますが、毎年緊張してこの新年の挨拶に臨んでいます。時間の移り変わりは早く、周りの環境も相当変化しました。2016年を迎えて、皆さんそれぞれ新たな希望や抱負を胸に新年を迎えたことと思います。こうして三菱商事グループの世界中の仲間と共に新年をつつがなく迎えることができたことに、心より感謝したいと思います。
さて、年頭の言葉として四点申し上げたいと思います。第一に、今我々がどのような環境の中に置かれているのか、第二に、「中経2012」~「経営戦略2015」の進捗と成果、第三に、経営戦略2015完遂に向けての課題、そして最後に三菱商事グループの継続性、についてです。
1.内外環境
昨年の年頭挨拶では、2015年は世界が本腰を入れて経済成長に取り組む年になるだろうと申し上げました。実際、米国では個人消費が牽引し、堅調な景気回復が続き、欧州も景気持ち直しの動きが続くなど、成長に向けた兆しが見え始めました。その一方で、中国をはじめとする新興国の景気減速や、EU内部のギリシャを中心とした懸念の高まり、さらには中東情勢の混迷やテロの脅威の世界的拡大など、経済の混乱や地政学的リスクが従来以上に高まる結果となりました。特に中国は世界の需要・消費の半分を占める国ですが、経済の回復は少し遅れ、世界経済全体に影響が出るのではないかと見ています。
2016年は、こうした潮流が継続していくことに加え、金融政策においては、いよいよ米国が正常化へとかじを切りました。正常化のスピード如何では、金融市場のボラティリティが高まることも懸念されます。また、金融マネーが、金融市場だけに留まらず、もう一度資源等の商品市場に流れる可能性があります。
資源価格も、中国をはじめとする新興国の成長鈍化、資源国の供給増加等により、目前の市況は大きく低迷しています。長期的に見れば、総需給の関係が回復していくという基本的な方向感は不変だと思いますが、資源価格のボラティリティが増大し、先が見通し難い状況になっています。
また産業レベルにおいても、デジタル化のさらなる進展等により、対面業界やわが社事業にさまざまな影響が出始めており、技術動向や産業構造等の変化を従来以上に注視していかなければなりません。今後の展開に対する想定力を強化していくことがますます重要だと考えております。
2.「中経2012」~「経営戦略2015」の進捗と成果
「経営戦略2015」もいよいよ最後の仕上げの段階を迎えています。社長就任以来、「中経2012」では、グループ基軸経営を通じて、意識して縦軸の強化を図り、足腰を強くしました。次に「経営戦略2015」では、横軸を強化し、総合的に全社を挙げてR&Dを骨太で取り組んでいる最中です。「経営戦略2015」は、2020年頃に事業規模の倍増、すなわち資源分野では持分生産量の倍増、非資源分野では利益倍増という長期目標を掲げ、その目標に向かって、Future Pullの発想で打ち手を講じていくという、新しいかたちの経営計画でした。その趣旨に沿って、各営業グループや部門では、事業戦略の転換が進み、将来のプラットフォームとなる事業の仕込みも進展しています。また、資産の入替えや事業領域の絞り込みも計画的に実行し、筋肉質な体質への転換も進みました。
また、各営業グループや部門の「事業戦略」という縦軸に対して、横軸として掲げた「全社R&D(市場戦略)」についても、多くの取り組みが実現しています。地域では、例えばミャンマーやトルコ等で新規案件が実現し、当初想定した「骨太の取り組み」が結実しつつあります。一方「分野」についても、複数の営業グループを横断的に束ね、新しい商圏や事業領域の構築をした結果、環境分野や農業やシェール関連などで一定の成果を上げることができました。
まさに、2020年頃の倍増という目標、ポートフォリオのあり姿に向かって、着実な歩みを進めている、その手応えをしっかりと感じています。それはこの10年の非資源の収益の変化にも表れています。これらの成果は、MCグループが一丸となり、経営計画の趣旨を理解した上で、志を一つにしてさまざまな取り組みを進めてくれたおかげであり、皆さんの努力に改めて感謝します。
3.「経営戦略2015」の完遂に向けての課題
「経営戦略2015」は順調に進展していますが、一方で、足元の業績は、想定を超える資源価格の低迷により、苦戦を強いられています。2015年度第2四半期において、業績見通しを下方修正したこと、そしてそれが当初に「保守的な巡航水準」として想定した「基準利益」をも下回る水準となったことについては、いかなる理由であれ、経営トップとして重く受け止めています。この結果を、「外部環境の変化ゆえにやむなし」ということで終わらせず、業績回復に向けてあらゆる手を打ってこそ経営を預かる者の義務、と心得て、次なる策を講じて参りたいと思います。
その覚悟の下で、昨年12月に、二つの経営会議を開催しました。外部環境を分析・共有する「市場戦略会議」、もう一つは内部環境を分析し打ち手を討議する「経営政策会議」です。本年度は「経営戦略2015」の最終年度であることから、この経営会議も、「経営戦略2015を総括する」会議としました。
会議では、活発な意見交換が行われ、幾つかの課題も浮かび上がってきました。例えば非資源分野では、全体の収益力は着実に向上していますが、近年実行した新規事業の収益化は必ずしも順調とは言えない例も散見されます。われわれの成長戦略を今後も確かなものにしていくためにも、投資を早期に収益化し、刈り取りを確実に実行していくことは非常に重要であり、皆さんの一層の尽力をお願いしたいと思います。また、強靭なポートフォリオの構築に向け、事業の選別も継続的に行っていく必要があります。
一方、資源分野は、足元の市況低迷により大変厳しい事業環境下にあります。資源価格の低迷がある程度長期化する可能性も視野に入れ、環境変化に応じて、中長期目標に向けたマイルストーンやポートフォリオの見直しを、聖域を設けずに実行していく必要があると考えております。
4.三菱商事グループの継続性
私はかねてより「総合商社の看板は下ろさない」と言い続けてきました。それは、これからもわが社は資源と非資源が同居する会社であり続けることを意味しております。資源のない日本において、エネルギーの安定供給という使命を果たし、日本の産業発展に貢献してきたこと、また同様にエネルギーを必要とする他の国々の需要に応えるべく国際的な供給体制を構築してきたことは誇るべきことであり、総合商社として、取り組む価値、意義は十分にあると考えています。当面は厳しい環境が続くと思いますが、冷静に将来を見通しつつ、環境変化に果敢に立ち向かってもらいたいと思います。
「経営戦略2015」は着実に進捗しているとは言え、取り組むべき課題はまだあります。まずは、今年度の残り3カ月で、総仕上げをするつもりで、自分たちに何ができるのかを真摯に検討し、出来る事から直ちに実行に移してほしいと思います。そして4月以降も、バトンを渡す垣内常務を中心として、これまで進めてきた成長戦略をさらに進展させ、新しい中経に繋げるべく、個々の持ち場で引き続き全力で取り組んでもらいたいと思います。
最後になりますが、2016年の干支は「丙申(ひのえさる)」です。新しい勢力・動きが現れ、何事にも積極的に活発に取り組んでいくべき年だといわれます。一方で、油断することなく、その変化に適切に対応することが求められる年でもあります。われわれ三菱商事グループも、厳しい環境に怯むことなく、適切な打ち手を適時に実行していくことで、2020年に向かって着実に歩みを進めていきましょう。
本リリースの詳細は下記URLをご参照ください。 http://www.mitsubishicorp.com/jp/ja/pr/archive/2016/html/0000029147.html
概要:三菱商事株式会社
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Source: Mitsubishi Corporation
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