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Lecanemabの臨床第II相POC試験後のOpen Label Extension試験における18カ月投与の臨床効果に関する予備解析結果をAAIC2021において発表 |
東京, 2021年7月30日 - (JCN Newswire) - エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役 CEO:内藤晴夫、以下 エーザイ)とバイオジェン・インク(Nasdaq: BIIB、本社:米国マサチューセッツ州ケンブリッジ、CEO:ミシェル・ヴォナッソス、以下 バイオジェン)は、2021 年 7 月 26 日から 30 日に米国コロラド州デンバーおよびバーチャルで開催されたアルツハイマー病協会国際会議(Alzheimer's Association International Conference: AAIC)2021 において、米国食品医薬品局(FDA)からブレイクスルーセラピーの指定を受けた抗アミロイドβ(Aβ)プロトフィブリル抗体 lecanemab(開発コード:BAN2401)について、アルツハイマー病(AD)による軽度認知障害(MCI)および軽度認知症(総称して早期 AD)を対象とした臨床第IIb 相 POC(Proof of Concept:創薬概念の検証)試験後の OpenLabel Extension(OLE:非盲検継続投与)試験における 18 カ月投与の臨床効果の予備解析結果を口頭発表しました。【発表番号:57780】
Lecanemab の 201 試験および OLE
Lecanemab は、可溶性の Aβ凝集体であるプロトフィブリルに優先的に結合するヒト化モノクローナル抗体です。早期 AD を対象とした臨床第IIb 相 POC 試験(201 試験、856 人)の 18 カ月投与(コア試験)において、脳内 Aβ量の減少と臨床症状の進行抑制を示しました(Alz Res Therapy 13; 2021)。201 試験のコア試験終了後、9〜59 カ月の無投与期間(ギャップ期間、コア試験における lecanemab の最後の投与から OLEの投与開始までの期間:平均 24 カ月)後に、lecanemab 10mg/kg 静脈注射(IV) biweekly 投与を評価するOLE が実施されました(コア試験に参加された方から 180 人が登録)。Lecanemab 治療による臨床効果は、コア試験の主要評価項目である ADCOMS*(Alzheimer’s Disease Composite Score)の調整後平均変化によって評価されました。また、CDR-SB(Clinical Dementia Rating Sum of Boxes)および ADAS-Cog(Alzheimer’s Disease Assessment Scale – Cognitive Subscale)でも評価されました。
疾患修飾効果の可能性を示唆
201試験OLEの投与開始時に早期ADの段階にあった被験者様においては、コア試験におけるlecanemab投与による用量依存的な臨床効果の差がギャップ期間中も維持され、コア試験で lecanemab 10mg/kg IV 投与を受けた被験者様は、プラセボ投与を受けた被験者様との臨床症状の差を維持したまま推移しました。ギャップ期間(コア試験後のフォローアップ時と OLE の投与開始時の間)の ADCOMS による調整後平均変化は、biweekly 投与で 0.11(0.07 から 0.18)、monthly 投与で 0.10(0.12 から 0.22)、プラセボ投与で 0.09(0.19 から 0.28)の増加(臨床症状の進行)でした。CDR-SB と ADAS-Cog においても同様の結果が観察されました。ギャップ期間中、コア試験期間におけるすべての投与群の被験者様において、主な臨床症状評価項目による臨床症状の進行は同程度でした。これは lecanemab の潜在的な疾患修飾効果を示唆しています。
血漿中 Aβ42/40 比と PET による脳内アミロイド、および治療との関係の可能性
血漿中 Aβ42/40 比の低値は、脳内アミロイドの上昇の指標と認識され、201 試験のサブセットとして評価されました。血漿中 Aβ42/40 比は、lecanemab の投与を受けた被験者様において、コア試験期間中およびOLE 期間中に増加し、ギャップ期間中には減少することから、血漿中 Aβ42/40 比と lecanemab による治療の関連を示している可能性があります。Lecanemab 治療に関連する血漿中 Aβ42/40 比における増加は、コア試験および OLE における治療に関連する脳内アミロイドの減少と逆相関しました(ポスター番号:57760)。
Lecanemab の治療継続による長期的なベネフィットの評価
OLE の投与開始時に早期AD の段階にあった被験者様は、コア試験においてプラセボの投与を受け OLEにおいてはじめて lecanemab が投与された被験者様、およびコア試験と OLE の両方で lecanemab が投与された被験者様のいずれにおいても、自然経過による病勢進行より緩やかな臨床症状の進行が示されました(米国での ADNI(Alzheimer’s Disease Neuroimaging Initiative)研究結果における同様の背景集団を参考)。
コア試験における 10mg/kg biweekly 投与群、10mg/kg monthly 投与群、プラセボ投与群の被験者様の OLEのベースラインからlecanemab投与18カ月時点におけるADCOMSの調整後平均変化は、それぞれ0.102、0.165、0.07 であり、ADNI の観察データ(0.214)よりも臨床症状の進行は緩徐でした。CDR-SB と ADAS-Cogでも同様の結果が観察されました。これらの結果は、lecanemab 投与を早期 AD の段階から開始した場合の長期治療継続によるベネフィットの可能性を支持しています。
なお、これらの予備的な知見は、限られたデータに基づいているため、現在進行中の早期AD を対象とした臨床第III相 Clarity AD 試験においてさらなる評価を行う予定です。
エーザイ ニューロロジービジネスグループのチーフクリニカルオフィサーである Lynn Kramer, M.D.は、「Lecanemab の臨床第IIb 相 OLE 試験の結果は、抗アミロイド療法の結果に対するさらなる洞察をもたらす有望なものであり、現在進行中の臨床第Ⅲ相試験である Clarity AD 試験および AHEAD 3-45 試験から、さらなる知見が得られることを期待しています。医学的知見、データ分析、および技術進歩が前例のない融合をもたらし、AD 研究は極めて重要な時期を迎えています。そのような中で、当社は、AD の連続する病勢進行に応じた個々の患者様の病態生理学的バイオマーカープロファイルに基づく治療パラダイムとなる、精密化医療研究に向けたアプローチを進めており、患者様とそのご家族のための新しいソリューションを研究開発するという当社独自のポジションの確立が可能となっています」と述べています。
バイオジェンの研究開発責任者である Alfred Sandrock, Jr. M.D., Ph.D.は、「OLE の結果は、AD におけるAβ病理への取り組みの可能性に対する私たちの確信をさらに強化するものです。エーザイと継続的に協力して lecanemab の研究を進め、AD 当事者の高いアンメット・ニーズに対処するパイオニアであり続けることを期待しています」と述べました。
Lecanemab については、現在、臨床第Ⅲ相試験(Clarity AD)が進行中であり、2021 年 3 月に 1,795 人の早期アルツハイマー病の被験者登録を完了し、2022 年 9 月末までに Primary endpoint の取得をめざしています。また、プレクリニカル AD 当事者様における効果を検証する臨床第III相試験 AHEAD 3-45 試験が進行中です。
本発表に関する動画および発表資料は、エーザイのコーポレートウェブサイトの投資家セクションに掲載されています。
本リリースの詳細は下記をご参照ください。 https://www.eisai.co.jp/news/2021/news202165.html
概要:エーザイ株式会社
詳細は www.eisai.co.jp をご覧ください。
トピック: Press release summary
Source: Eisai
セクター: BioTech
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