東京, 2023年11月10日 - (JCN Newswire) - ソフトバンク株式会社(以下「ソフトバンク」)は、環境負荷の少ない通信インフラ構築を目指したネットワークのグリーン化のために、富士通株式会社(以下「富士通」)の次世代光伝送装置「1FINITY Ultra Optical System T900」(以下、「1FINITY T900」)をはじめとする、オープンネットワークに対応したディスアグリゲーション型(注1)光伝送システムによるAll optical networkのコア領域での全国展開を10月26日に完了しました。
今回、ソフトバンクが全国展開を完了したAll optical networkは、通信ネットワークの全ての領域に光の技術を用いています。富士通の次世代光伝送システムを用いたAll optical networkは、All optical技術対応機器との接続および水冷トランスポンダー技術の適用により、消費電力を従来比(注2)最大90%削減しました。また、従来型設備との接続時も、最新の光電変換技術により従来比(注2)約50%の低消費電力化を実現し、あらゆる接続環境で高い電力効率を発揮できる環境配慮型ネットワークです。また、通信性能の向上も図り、1対の光ファイバーを用いて、従来(注2)の約2倍となる最大48.8Tbpsの大容量・高速伝送も実現しています。
ソフトバンクは、本光伝送システムの導入により、今後のBeyond 5G(第5世代の次の世代の移動通信システム)/6G(第6世代移動通信システム)を見据えて、増え続けるデータ通信の需要を満たしながら、カーボンニュートラルを実現するネットワークの構築を目指します。
ソフトバンクと富士通は、最先端技術を活用して社会や人々が抱える課題を解決し、SDGs(持続可能な開発目標)が目指す社会の実現に貢献していきます。
ソフトバンクが導入した光伝送システムの主な特長
1. All optical networkとIPネットワークの融合
ソフトバンクのIPルーターに、長距離伝送可能なコヒーレント型(注3)光トランシーバー(DCO)を搭載し、ソフトバンクの要件に合わせて今回富士通が新規開発した「1FINITY L211」を用いて接続することで、光伝送システム内での光電変換を一切行わずに、All optical接続を可能にしました。これにより、従来比最大90%の消費電力削減を実現しました。また、一般的なAll optical networkで課題となるルーティングのスケール(拡張性)については、ソフトバンクのSRv6(セグメントルーティングIPv6)などのIPネットワーク技術を活用することで、柔軟なネットワークを実現しています。
2. クローズドループ型水冷技術の導入
All optical接続が難しい既存機器との接続においても、大幅な環境性能の向上を図るため、富士通の「1FINITY T900」では、世界で初めて(注4)光伝送システムに水冷トランスポンダー技術を適用しました。これにより、冷却効率は従来の空冷システムと比較して2倍となり、2RU(Rack Unit)サイズの筐体に最新のコヒーレントデバイスを12基搭載することで、400GbEを36本収容可能とし、ソフトバンクが従来使用している機器と比較し、収容密度を4倍に向上、消費電力を約50%削減しました。また、冷却構造を全て装置内に収めるクローズドループ型とすることで、ファシリティーの改修を不要にし、期待寿命20年の高信頼性とメンテナンスフリーのシステムを実現しました。
3. ディスアグリゲーション型C+L ROADMアーキテクチャーの採用
従来装置では、CバンドまたはLバンドのいずれかを使用していましたが、今回両方を同時に使用することで、1対の光ファイバー当たりの帯域を従来(注2)の約2倍に拡張しました。また、ディスアグリゲーション型C+L ROADMアーキテクチャーにより必要に応じたシステムアップを可能とし、Cバンドのみで開通後、後からLバンドを追加することができ、通信トラフィックの需要に応じた柔軟な機器の構成が可能となります。不要な機材を初期搭載することなく、低消費電力で投資効率の良い柔軟なネットワークを実現しています。
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